小児めまい症例の検討
「はじめに」高齢化とともにめまい症状を有する患者は増えることは報告されているが, 小児のめまいは成人と異なり患者数が少ない. 全めまい患者中の小児例の割合は, 本邦では1.6~6.1%であり, 海外の報告でも約100分の1である. 疾患の頻度も成人と小児では異なり, 成人では良性発作性頭位めまい症が多いが, 小児ではほとんどみられない. 本邦の報告では小児のめまいは起立性調節障害 (orthopedic dysfunction : OD) が多いが, 海外の報告では良性発作性めまい症 (benign paroxysmal vertigo : BPV) と前庭性片頭痛 (vestibular m...
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Published in | Equilibrium Research Vol. 82; no. 3; pp. 173 - 179 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
30.06.2023
日本めまい平衡医学会 |
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ISSN | 0385-5716 1882-577X |
DOI | 10.3757/jser.82.173 |
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Summary: | 「はじめに」高齢化とともにめまい症状を有する患者は増えることは報告されているが, 小児のめまいは成人と異なり患者数が少ない. 全めまい患者中の小児例の割合は, 本邦では1.6~6.1%であり, 海外の報告でも約100分の1である. 疾患の頻度も成人と小児では異なり, 成人では良性発作性頭位めまい症が多いが, 小児ではほとんどみられない. 本邦の報告では小児のめまいは起立性調節障害 (orthopedic dysfunction : OD) が多いが, 海外の報告では良性発作性めまい症 (benign paroxysmal vertigo : BPV) と前庭性片頭痛 (vestibular migraine : VM) が多い. 近年, 本邦でもBPV, VMが多いとする報告もでてきている. 今回, 本学における小児めまい症例について検討を行ったので報告する. 「方法」「1. 対象」2008年1月~2022年3月の期間に, めまい・ふらつきを主訴に京都府立医科大学附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 (以下本学耳鼻咽喉科) を受診した小児症例を対象とした. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.82.173 |