組織オキシメータを用いた腸管血流評価法についての検討

目 的:消化管手術において,腸管血流は縫合不全などの合併症につながる重要な要素である.近年,インドシアニングリーン蛍光法による血流評価の報告がなされているが,赤外光観察カメラシステムが高額なため一般病院では普及していない.本研究では,非侵襲的に組織酸素飽和度とヘモグロビン指数を測定できる組織オキシメータを用いて,腸管血流評価の可能性を検討した.方 法:当院で行った食道・大腸手術中に,診察指装着型組織オキシメータ(toccare® astem)を用いて腸管血流データを収集した.結 果:食道癌手術9例と大腸癌手術14例で97箇所測定した.消化管吻合について組織酸素飽和度閾値45.9%,ヘモグロビン...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 72; no. 4; pp. 337 - 341
Main Authors 米山, 智, 山本, 恭彰, 小﨑, 浩一, 福富, 俊明, 加藤, 丈人, 小林, 仁存, 武藤, 亮, 福永, 潔, 布施川, 一樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.11.2022
Subjects
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.72.337

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Summary:目 的:消化管手術において,腸管血流は縫合不全などの合併症につながる重要な要素である.近年,インドシアニングリーン蛍光法による血流評価の報告がなされているが,赤外光観察カメラシステムが高額なため一般病院では普及していない.本研究では,非侵襲的に組織酸素飽和度とヘモグロビン指数を測定できる組織オキシメータを用いて,腸管血流評価の可能性を検討した.方 法:当院で行った食道・大腸手術中に,診察指装着型組織オキシメータ(toccare® astem)を用いて腸管血流データを収集した.結 果:食道癌手術9例と大腸癌手術14例で97箇所測定した.消化管吻合について組織酸素飽和度閾値45.9%,ヘモグロビン指数閾値0.420と算出し,合併症無し症例の検出率は87.2%,合併症例の検出率は84.2%であった.結 語:組織オキシメータによる血流評価が,吻合部合併症予測に有用である可能性が示唆された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.72.337