薬物分布に着目したスペシャルポピュレーションにおける薬物投与最適化
「1. はじめに」臓器機能の低下や小児, 高齢者や妊婦・授乳婦など, 特殊な背景を有し薬物動態特性が一般の患者集団とは異なると想定される患者集団を「スペシャルポピュレーション」という. 医薬品開発においては限られた患者集団を対象とした動態試験が実施され, 添付文書に記載される薬物動態の情報はこれらの治験にて得られたものである. しかし, 医薬品の市販後は様々な背景を有する患者が使用することになり, スペシャルポピュレーションにおける薬物動態変化は有害事象の発現や薬効低下につながり治療上の問題となる. そのため, これらの患者に対する薬物治療を行う際には, 薬物動態の変化を考慮しつつ個々の患者に...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 144; no. 11; pp. 991 - 996 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.11.2024
日本薬学会 |
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Summary: | 「1. はじめに」臓器機能の低下や小児, 高齢者や妊婦・授乳婦など, 特殊な背景を有し薬物動態特性が一般の患者集団とは異なると想定される患者集団を「スペシャルポピュレーション」という. 医薬品開発においては限られた患者集団を対象とした動態試験が実施され, 添付文書に記載される薬物動態の情報はこれらの治験にて得られたものである. しかし, 医薬品の市販後は様々な背景を有する患者が使用することになり, スペシャルポピュレーションにおける薬物動態変化は有害事象の発現や薬効低下につながり治療上の問題となる. そのため, これらの患者に対する薬物治療を行う際には, 薬物動態の変化を考慮しつつ個々の患者にあわせた適切な投与設計を行う必要がある. しかし, スペシャルポピュレーションにおける薬物の体内動態を変化させる要因はいまだ明らかになっていないものが多く, 薬物の投与法を考えるうえで根拠となる情報は限定的である. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.24-00149 |