機能性を持つ食品由来成分の探索と農産物の付加価値向上
「1. はじめに」 近年, 多くの食品由来成分の代謝改善作用が明らかになり, その作用機構が精力的に解析されている. 一般の消費者においても, 特定保健用食品や機能性表示食品を通じて食品成分の機能性が広く認知されており, 食の力による健康増進が期待されている. 筆者は, 食品によるメタボリックシンドロームの予防・改善を目指し, 機能性を持つ食品成分の探索を行ってきた. 本稿では脂質代謝関連遺伝子の発現を制御する食品成分の探索とその作用機構を中心に, 筆者が行ってきた食品の機能性研究について紹介する. 「2. 評価系の構築」 筆者はこれまでに, 精製食品成分を約300種類入手し, 脂質代謝関連遺...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 145; no. 1; pp. 23 - 28 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.01.2025
日本薬学会 |
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Summary: | 「1. はじめに」 近年, 多くの食品由来成分の代謝改善作用が明らかになり, その作用機構が精力的に解析されている. 一般の消費者においても, 特定保健用食品や機能性表示食品を通じて食品成分の機能性が広く認知されており, 食の力による健康増進が期待されている. 筆者は, 食品によるメタボリックシンドロームの予防・改善を目指し, 機能性を持つ食品成分の探索を行ってきた. 本稿では脂質代謝関連遺伝子の発現を制御する食品成分の探索とその作用機構を中心に, 筆者が行ってきた食品の機能性研究について紹介する. 「2. 評価系の構築」 筆者はこれまでに, 精製食品成分を約300種類入手し, 脂質代謝関連遺伝子の発現を制御する新規な食品成分の探索を試みてきた. 多くの成分について簡便に解析を行うため, ルシフェラーゼによるレポーターアッセイ系を構築した. 今回は, fatty acid synthase(FAS)遺伝子とlow-density lipoprotein receptor(LDL)受容体遺伝子プロモーターを用いた例について紹介する. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.24-00173-2 |