胃切除術後の輸入脚閉塞症の1例
「I はじめに」輸入脚閉塞症は胃切除後のBillroth-II法(以下B-II法)や胃全摘後Roux-Y再建で十二指腸断端を閉鎖した術式の術後に輸入脚の閉塞をきたす疾患である. 今回我々は幽門側胃切除術, B-II法再建後に輸入脚閉塞症を発症した1例を経験したので報告する. 「II 症例」患者:49歳女性. 主訴:腹痛. 既往歴:11歳時に虫垂切除術を受けている. 平成15年11月に胃癌, 卵巣転移に対して幽門側胃切除術, 両側付属器切除術を施行した. No8a, 9, 12aのリソパ節が一塊とたって腫脹しており切除不能であった. リンパ節の遺残があることから十二指腸付近での再発, 閉塞を考慮...
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Published in | 信州医学雑誌 Vol. 54; no. 6; pp. 401 - 405 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
信州医学会
2006
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-3826 1884-6580 |
DOI | 10.11441/shinshumedj.54.401 |
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Summary: | 「I はじめに」輸入脚閉塞症は胃切除後のBillroth-II法(以下B-II法)や胃全摘後Roux-Y再建で十二指腸断端を閉鎖した術式の術後に輸入脚の閉塞をきたす疾患である. 今回我々は幽門側胃切除術, B-II法再建後に輸入脚閉塞症を発症した1例を経験したので報告する. 「II 症例」患者:49歳女性. 主訴:腹痛. 既往歴:11歳時に虫垂切除術を受けている. 平成15年11月に胃癌, 卵巣転移に対して幽門側胃切除術, 両側付属器切除術を施行した. No8a, 9, 12aのリソパ節が一塊とたって腫脹しており切除不能であった. リンパ節の遺残があることから十二指腸付近での再発, 閉塞を考慮しBraun吻合なしのB-II法再建を行った. 組織型はpor2, 病期はf SE, N2, H0, M1, CY0, P0 stageIV根治度Cであった. TS1にて術後化学療法を施行しCEA値は術前9.2ng/mlから平成16年9月には5.1ng/mlと低下, 胃癌の病勢はTS1によりコントロールされていた. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:平成16年9月下旬に腹痛が出現し増悪したため当院救急外来を受診した. |
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ISSN: | 0037-3826 1884-6580 |
DOI: | 10.11441/shinshumedj.54.401 |