皮質性くも膜下出血で発症した妊娠関連脳卒中の検討

【背景および目的】妊娠関連脳卒中は,妊産婦死亡の主要な原因であり,その病態の理解は重要である.妊娠関連脳卒中のなかには,脳皮質に限局するくも膜下出血(皮質性くも膜下出血)で発症し,比較的良好な経過をたどる例が存在する.【方法】妊娠経過中に皮質性くも膜下出血を発症した5 例の臨床的特徴を,診療録をもとに検討した.【結果】いずれも産褥期に発症しており,reversible cerebral vasoconstriction syndrome(RCVS)とposterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)に合致する臨床経過,画像所見を単独,または重複...

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Published in脳卒中 Vol. 40; no. 3; pp. 157 - 162
Main Authors 関, 行雄, 小島, 隆生, 加藤, 紀子, 山口, 純矢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2018
日本脳卒中学会
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.10532

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Summary:【背景および目的】妊娠関連脳卒中は,妊産婦死亡の主要な原因であり,その病態の理解は重要である.妊娠関連脳卒中のなかには,脳皮質に限局するくも膜下出血(皮質性くも膜下出血)で発症し,比較的良好な経過をたどる例が存在する.【方法】妊娠経過中に皮質性くも膜下出血を発症した5 例の臨床的特徴を,診療録をもとに検討した.【結果】いずれも産褥期に発症しており,reversible cerebral vasoconstriction syndrome(RCVS)とposterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)に合致する臨床経過,画像所見を単独,または重複して認めた.【結論】皮質性くも膜下出血で発症する妊娠関連脳卒中は,その発症にRCVS とPRES が関与し,転帰は良好ではあるが,注意深い経過観察が必要である.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10532