個別症例安全性報告の因果関係評価基準の問題点

緒言 医療現場で生じた副作用(Adverse Drug Reaction:ADR)と疑われる有害事象(Adverse Event:AE)は, 個別症例安全性報告(Individual Case Safety Report:ICSR)として厚生労働省および当該医薬品の製薬企業に報告される. 製薬企業は得られた情報から医薬品とAEの因果関係等を評価する. そのため, 医療現場から報告される情報の質は, 評価の質, およびその後の安全対策に影響するといえる. したがって, 医療機関から報告されるICSRをより有用な情報とするためには, 製薬企業が因果関係等の評価のために必要としている情報項目を明確に...

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Published in医療薬学 Vol. 34; no. 9; pp. 838 - 846
Main Authors 高月, 公博, 古川, 裕之, 宮本, 謙一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2008
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.34.838

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Summary:緒言 医療現場で生じた副作用(Adverse Drug Reaction:ADR)と疑われる有害事象(Adverse Event:AE)は, 個別症例安全性報告(Individual Case Safety Report:ICSR)として厚生労働省および当該医薬品の製薬企業に報告される. 製薬企業は得られた情報から医薬品とAEの因果関係等を評価する. そのため, 医療現場から報告される情報の質は, 評価の質, およびその後の安全対策に影響するといえる. したがって, 医療機関から報告されるICSRをより有用な情報とするためには, 製薬企業が因果関係等の評価のために必要としている情報項目を明確にする必要がある. そこで, 個々の症例における因果関係等の評価方法として製薬企業が現在使用している方法の実態を把握するために調査を行い, 標準的な因果関係の評価方法について検討した. 方法 1. 対象 調査対象企業は, 日本製薬工業協会会員会社および同協会医薬品評価委員加盟会社の計81社(2007年7月現在, 製薬協ホームページhttp://www.jpma.or.jp/より)とした.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.34.838