乳酸菌製剤の圧着分包による生菌数への影響

「緒言」乳酸菌群の細菌を主成分とする乳酸菌製剤は, 生きた細菌が腸管内に達し, 腸内細菌のバランスを整えることにより整腸作用を現す1, 2). 一方, 製剤中または服用後において死滅した細菌は腸内に存在する有害物質を吸着し, 体外に排出する作用を持つと考えられており, 必ずしも無駄になるわけではない2). しかしながら, 生菌による整腸作用を期待する場合, 製剤中に存在する生菌数が薬効を左右する. 一般に乳酸菌製剤であるビオラクチス散(R)((株)ヤクルト)は乳幼児に対して少量で処方するが, 分包品しか扱っていない場合, 分包品を再分包する必要がある. また, 同じく乳酸菌製剤であるラックビー...

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Published in医療薬学 Vol. 34; no. 3; pp. 235 - 239
Main Authors 片山, 怜, 福田, 太仁夫, 近藤, 誠一, 前野, 拓也, 加藤, 一哉, 一色, 恭徳, 舟越, 亮寛, 夏目, 秀視
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2008
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.34.235

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Summary:「緒言」乳酸菌群の細菌を主成分とする乳酸菌製剤は, 生きた細菌が腸管内に達し, 腸内細菌のバランスを整えることにより整腸作用を現す1, 2). 一方, 製剤中または服用後において死滅した細菌は腸内に存在する有害物質を吸着し, 体外に排出する作用を持つと考えられており, 必ずしも無駄になるわけではない2). しかしながら, 生菌による整腸作用を期待する場合, 製剤中に存在する生菌数が薬効を左右する. 一般に乳酸菌製剤であるビオラクチス散(R)((株)ヤクルト)は乳幼児に対して少量で処方するが, 分包品しか扱っていない場合, 分包品を再分包する必要がある. また, 同じく乳酸菌製剤であるラックビー微粒(R)(興和(株)), レベニン(R)(わかもと製薬(株))は分包品で対処できない量の処方が出た場合, 同様に再分包する. 加えてバラ包装の場合は処方に応じて適量分包する. 圧着による分包時には, 圧着部を115℃前後で加熱するため, 熱により生菌数が減少し, 薬効に大きく影響する可能性がある.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.34.235