シスプラチン化学療法における吃逆の危険因子に関する検討

「緒言」シスプラチン(以下, CDDPと略す)を含むがん化学療法施行患者への服薬指導を行っていると, 吃逆の副作用を経験することがある. 症状は患者ごとに差があるものの, 夜間の睡眠が障害されるほど重症な場合もある. 吃逆は生命の危険に著しく影響するものではないが, 化学療施行中の患者においてはQOLを低下させる. 肺がん化学療法に伴う吃逆の副作用に関する報告1,2)によるとCDDPを含む化学療法では高頻度に吃逆が発現するとされている. また, CDDPにより発現した吃逆は, 性別とステロイド投与が関係しているとの報告3,4)がある. しかしながら, これらの報告では, CDDPの投与量や危険...

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Published in医療薬学 Vol. 35; no. 2; pp. 89 - 95
Main Authors 杉村, 勇人, 宮本, 謙一, 相宮, 光二, 菅, 幸生, 河原, 昌美, 林, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2009
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.35.89

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Summary:「緒言」シスプラチン(以下, CDDPと略す)を含むがん化学療法施行患者への服薬指導を行っていると, 吃逆の副作用を経験することがある. 症状は患者ごとに差があるものの, 夜間の睡眠が障害されるほど重症な場合もある. 吃逆は生命の危険に著しく影響するものではないが, 化学療施行中の患者においてはQOLを低下させる. 肺がん化学療法に伴う吃逆の副作用に関する報告1,2)によるとCDDPを含む化学療法では高頻度に吃逆が発現するとされている. また, CDDPにより発現した吃逆は, 性別とステロイド投与が関係しているとの報告3,4)がある. しかしながら, これらの報告では, CDDPの投与量や危険因子に関する詳細な検討は行われていない. がん化学療法による吃逆の発現機序は吃逆中枢の刺激よるものという説5,6)もあるが, 十分には解明されていない. CDDPを含む化学療法は多くのがん患者に施行されており, 吃逆の危険因子を明確にすることはがん患者のQOL改善につながると考えられる.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.35.89