頚部悪性腫瘍に合併した主幹静脈閉塞による視力障害に対し,血管内治療が有効であった1例

【目的】頚部悪性腫瘍に合併した脳静脈洞血栓症(cerebral venous sinus thrombosis: CVST)に対して,血管内治療が有効であった1例を報告する.【症例】64歳男性,右頚部腫瘤を主訴に受診.原発不明癌の頚部リンパ節転移と診断後,視力低下と複視,さらに眼底に乳頭浮腫を認めた.頭部造影MRIで,右S状静脈洞の閉塞と後頚部への静脈流出路の消失を認めた.腰椎穿刺で頭蓋内圧上昇を認めたため,早急な静脈洞の再開通を目指し,血管内治療を行った.術後,神経症状は改善,頚部腫瘍に対して放射線化学療法が開始された.【結論】頚部悪性腫瘍に合併したCVSTに対して血管内治療による早急な再開...

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Published in脳血管内治療 Vol. 8; no. 3; pp. 96 - 101
Main Authors 大本, 裕次郎, 庄島, 正明, 宇野, 健志, 大山, 裕太, 樋口, 芙未, 木倉, 亮太, 川口, 愛, 平野, 雄大, 平田, 操, 後藤, 芳明, 辛, 正廣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経血管内治療学会 2023
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Summary:【目的】頚部悪性腫瘍に合併した脳静脈洞血栓症(cerebral venous sinus thrombosis: CVST)に対して,血管内治療が有効であった1例を報告する.【症例】64歳男性,右頚部腫瘤を主訴に受診.原発不明癌の頚部リンパ節転移と診断後,視力低下と複視,さらに眼底に乳頭浮腫を認めた.頭部造影MRIで,右S状静脈洞の閉塞と後頚部への静脈流出路の消失を認めた.腰椎穿刺で頭蓋内圧上昇を認めたため,早急な静脈洞の再開通を目指し,血管内治療を行った.術後,神経症状は改善,頚部腫瘍に対して放射線化学療法が開始された.【結論】頚部悪性腫瘍に合併したCVSTに対して血管内治療による早急な再開通を行い,重篤な合併症なく,良好な転帰を得ることができた.
ISSN:2423-9119
2424-1709
DOI:10.20626/nkc.cr.2023-0008