切迫早産治療薬としてニフェジピンが奏功した一例
「緒言」早産は, 正期産(妊娠37週0日~妊娠41週6日)以前の出産と定義されており, 正期産と比較して新生児合併症や新生児死亡などの周産期予後と密接に関連することが知られている. 早産児では, 呼吸窮迫症候群や脳室内出血, 動脈管開存症など児の長期予後に影響を与える重篤な合併症をきたす可能性が高くなることが報告されており, 実際に, 周産期死亡の約75%は妊娠37週未満の早産児が占めている. 従って, 早産の抑制は産科管理の重要な課題の1つである. 切迫早産は妊娠22週以降~37週未満に下腹痛(10分に1回以上の陣痛), 性器出血, 破水などの症状に加えて外側陣痛計で規則的な子宮収縮があり,...
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Published in | 医療薬学 Vol. 42; no. 3; pp. 202 - 208 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.03.2016
日本医療薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.42.202 |
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Summary: | 「緒言」早産は, 正期産(妊娠37週0日~妊娠41週6日)以前の出産と定義されており, 正期産と比較して新生児合併症や新生児死亡などの周産期予後と密接に関連することが知られている. 早産児では, 呼吸窮迫症候群や脳室内出血, 動脈管開存症など児の長期予後に影響を与える重篤な合併症をきたす可能性が高くなることが報告されており, 実際に, 周産期死亡の約75%は妊娠37週未満の早産児が占めている. 従って, 早産の抑制は産科管理の重要な課題の1つである. 切迫早産は妊娠22週以降~37週未満に下腹痛(10分に1回以上の陣痛), 性器出血, 破水などの症状に加えて外側陣痛計で規則的な子宮収縮があり, 内診で子宮口の開大, 頸管展退などBishop scoreの進行が認められ, 早産の危険性が高い状態と定義されている. 切迫早産の治療には一般的に, 子宮収縮抑制薬が投与される. 本邦において切迫早産に対して保険適応がある子宮収縮抑制薬として, リトドリン塩酸塩および硫酸マグネシウムが繁用されている. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.42.202 |