多規格が併売されている注射用抗がん剤の最適な採用戦略に関する研究

「緒言」医療は益々高度・複雑化し, 高齢社会に伴って, 医療費の増加は国策的な問題となっている. 医療費の抑制策として, 診断群分類(Diagnosis Procedure Combination:DPC)による医療費の包括化や後発医薬品の使用促進等のさまざまな方策が講じられているところである. このような状況下において, 医療機関は医療の質を維持しなが ら無駄を削減する経営努力が必要となる. しかし, 医療費における薬剤費の割合は約27%にも達し, この5年間で減少していない1). このことからも, 薬剤費の適切な抑制策を講じることで医療費全体の抑制に貢献することは明らかである. 医薬品の選...

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Published in医療薬学 Vol. 37; no. 8; pp. 467 - 474
Main Authors 小野, 尚志, 粟屋, 敏雄, 都築, 仁美, 須野, 学, 山下, 恭範, 大滝, 康一, 田崎, 嘉一, 松原, 和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2011
日本医療薬学会
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Summary:「緒言」医療は益々高度・複雑化し, 高齢社会に伴って, 医療費の増加は国策的な問題となっている. 医療費の抑制策として, 診断群分類(Diagnosis Procedure Combination:DPC)による医療費の包括化や後発医薬品の使用促進等のさまざまな方策が講じられているところである. このような状況下において, 医療機関は医療の質を維持しなが ら無駄を削減する経営努力が必要となる. しかし, 医療費における薬剤費の割合は約27%にも達し, この5年間で減少していない1). このことからも, 薬剤費の適切な抑制策を講じることで医療費全体の抑制に貢献することは明らかである. 医薬品の選定と在庫管理は, 病院薬剤師が関与しなければならない最も基本的なコストマネジメント業務である. 医薬品管理業務は病院薬剤師の基本業務であり2), 適切な管理を怠り欠品が生じた場合には患者の生命に関わることもある. しかし, 過剰な在庫は品質の低下や期限切れによる廃棄処分に繋がり, 病院の損失となる.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.37.467