AA型アミロイドーシスを合併した高齢発症のCrohn病の一例

AA型アミロイドーシスを合併したCrohn病の一例を経験した．症例は73歳女性．発熱，下痢症状の改善がないため紹介入院となった．入院時の腹部単純X線写真では著明な大腸拡張像を認め，腹部骨盤CTでも回腸から結腸にかけての浮腫状の壁肥厚と腸管周囲に膿瘍の形成，回腸の拡張像を認めた．十二指腸粘膜の内視鏡下生検を施行したところ，組織学的にAA型アミロイドーシスと診断された．大腸内視鏡検査では異常所見はなかった．小腸X線二重造影検査にて，小腸の管状狭窄と拡張，潰瘍瘢痕，類円形の潰瘍が多発していた．AA型アミロイドーシスを合併したCrohn病の診断のもとに入院・加療を行った．絶食と抗生剤点滴で腸管安静をは...

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Published in山口医学 Vol. 59; no. 4; pp. 183 - 188
Main Authors 播磨, 陽平, 三谷, 伸之, 橋本, 一夫, 檜垣, 真吾, 権藤, 俊一, 坂井田, 功
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 2010
Subjects
AA型アミロイドシース
Crohn病
腎障害
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ISSN0513-1731
1880-4462
DOI10.2342/ymj.59.183

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Summary:AA型アミロイドーシスを合併したCrohn病の一例を経験した．症例は73歳女性．発熱，下痢症状の改善がないため紹介入院となった．入院時の腹部単純X線写真では著明な大腸拡張像を認め，腹部骨盤CTでも回腸から結腸にかけての浮腫状の壁肥厚と腸管周囲に膿瘍の形成，回腸の拡張像を認めた．十二指腸粘膜の内視鏡下生検を施行したところ，組織学的にAA型アミロイドーシスと診断された．大腸内視鏡検査では異常所見はなかった．小腸X線二重造影検査にて，小腸の管状狭窄と拡張，潰瘍瘢痕，類円形の潰瘍が多発していた．AA型アミロイドーシスを合併したCrohn病の診断のもとに入院・加療を行った．絶食と抗生剤点滴で腸管安静をはかると下痢などの症状は改善し，食事を流動食から固形食に変えると症状の増悪を認めた．Crohn病は栄養療法で寛解導入され，その後維持された．消化管アミロイドーシスの消化器症候もなく４年間経過良好である．
ISSN:0513-1731
1880-4462
DOI:10.2342/ymj.59.183