腎移植後ミコフェノール酸モフェチル投与中アデノウィルス感染を伴って発症した急性膵炎の1例

症例は28歳,女性.生体腎移植後でミコフェノール酸モフェチルを含む複数の免疫抑制剤を内服していた.流行性角結膜炎を発症し,眼症状が残存したまま1ヶ月が経過したのち急性膵炎を発症した.絶食のみでは膵炎症状が治癒しなかったため,ミコフェノール酸モフェチルを中止したところ眼症状,膵炎症状の軽快を得たため,ミコフェノール酸モフェチルによるアデノウィルス感染の遷延が膵炎に関与していたと考えられた.免疫不全患者におけるアデノウィルスによる急性膵炎は稀であるが治療に難渋することがあるため貴重な症例と考えられた....

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Published in膵臓 Vol. 29; no. 5; pp. 828 - 832
Main Authors 馬淵, 正敏, 森脇, 久隆, 安田, 一朗, 岩下, 拓司, 土井, 晋平, 小澤, 範高, 上村, 真也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 25.10.2014
Subjects
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.29.828

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Summary:症例は28歳,女性.生体腎移植後でミコフェノール酸モフェチルを含む複数の免疫抑制剤を内服していた.流行性角結膜炎を発症し,眼症状が残存したまま1ヶ月が経過したのち急性膵炎を発症した.絶食のみでは膵炎症状が治癒しなかったため,ミコフェノール酸モフェチルを中止したところ眼症状,膵炎症状の軽快を得たため,ミコフェノール酸モフェチルによるアデノウィルス感染の遷延が膵炎に関与していたと考えられた.免疫不全患者におけるアデノウィルスによる急性膵炎は稀であるが治療に難渋することがあるため貴重な症例と考えられた.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.29.828