めまいを主訴とした反復音暴露による限局性恐怖症例

「はじめに」精神疾患がめまいの発症に関連することは, 心因性めまいとしてよく知られている. 耳鼻咽喉科を受診するめまい患者の10~30%は心因性めまいであるとされている. 心因性めまいには精神疾患が原因で発症する狭義の心因性めまいと, 既往にある精神疾患が前庭機能障害を増悪させることで発症する広義の心因性めまいがある. 前庭障害をもたない狭義の心因性めまいは, 検査所見で異常を示さず, 診断に注意が必要である. アメリカ精神医学会による精神疾患の診断マニュアルであるDSM-5 (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders 5th...

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Published inEquilibrium Research Vol. 83; no. 2; pp. 88 - 93
Main Authors 青海, 瑞穂, 菅原, 一晃, 瀬尾, 徹, 釼持, 新, 肥塚, 泉, 小池, 遥介, 小森, 学, 四戸, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 30.04.2024
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.83.88

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Summary:「はじめに」精神疾患がめまいの発症に関連することは, 心因性めまいとしてよく知られている. 耳鼻咽喉科を受診するめまい患者の10~30%は心因性めまいであるとされている. 心因性めまいには精神疾患が原因で発症する狭義の心因性めまいと, 既往にある精神疾患が前庭機能障害を増悪させることで発症する広義の心因性めまいがある. 前庭障害をもたない狭義の心因性めまいは, 検査所見で異常を示さず, 診断に注意が必要である. アメリカ精神医学会による精神疾患の診断マニュアルであるDSM-5 (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders 5th edition) によると, このような心因性めまいを引き起こす精神神経疾患には, 大うつ病性障害, 不安障害, 身体症状症が挙げられている. 今回, 不安障害の中でもまれな反復音暴露によりめまいを呈した限局性恐怖症例を経験したので報告する.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.83.88