術前患者に対する内服薬剤管理の病院・保険薬局との連携システムの確立

術前患者の薬剤管理は周術期合併症や手術中止を回避するために極めて重要で,入院前の対策が必要である.われわれは術前外来患者の処方状況確認(薬剤確認)と休薬を含めた薬剤管理(休薬管理)を,病院と保険薬局が連携して実施する体制を構築した.術前外来患者28名に対して本運用が活用された.保険薬局からの返信率は薬剤確認100%,休薬管理92.3%と高く,依頼から返信までの日数の中央値は2日と迅速であった.対象患者55名のうち休薬管理の活用群24名では全てで休薬と手術が遂行されたが,非活用群31名では1名で休薬未実施による手術延期があった.病院と保険薬局との連携により周術期患者の安全な薬物療法管理につながっ...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 42; no. 7; pp. 555 - 562
Main Authors 直良, 浩司, 石原, 慎之, 玉木, 宏樹, 二階, 哲朗, 望月, 優里, 矢野, 貴久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.11.2022
Subjects
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.42.555

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Summary:術前患者の薬剤管理は周術期合併症や手術中止を回避するために極めて重要で,入院前の対策が必要である.われわれは術前外来患者の処方状況確認(薬剤確認)と休薬を含めた薬剤管理(休薬管理)を,病院と保険薬局が連携して実施する体制を構築した.術前外来患者28名に対して本運用が活用された.保険薬局からの返信率は薬剤確認100%,休薬管理92.3%と高く,依頼から返信までの日数の中央値は2日と迅速であった.対象患者55名のうち休薬管理の活用群24名では全てで休薬と手術が遂行されたが,非活用群31名では1名で休薬未実施による手術延期があった.病院と保険薬局との連携により周術期患者の安全な薬物療法管理につながった.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.42.555