暑熱環境における若年男性の血中脂質濃度変化

暑熱環境は一般的な環境因子であるが, 生体の生理機能に対して極めて多彩な影響を及ぼすことが知られており, 多くの知見が積み重ねられてきた. また, 近年地球規模の環境変化が急速に進み, WHO,WMO(World Meteorological Organization 世界気象機関)は地球規模の温暖化の進行は酷暑日の頻度の増加, あるいは長期化をもたらすと警告している. それにより暑熱環境による影響は高温作業従事者など特殊な集団に限らず, 今後は, 屋外作業従事者, あるいは一般集団に拡大していくことが予測される. さらに暑熱による深刻な健康影響は比較的高齢者層に顕著であることから1), 公衆...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 44; no. 1; pp. 12 - 14
Main Authors 山本, 宏実, 鄭, 奎城, 有泉, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本産業衛生学会 01.01.2002
日本産業衛生学会
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Summary:暑熱環境は一般的な環境因子であるが, 生体の生理機能に対して極めて多彩な影響を及ぼすことが知られており, 多くの知見が積み重ねられてきた. また, 近年地球規模の環境変化が急速に進み, WHO,WMO(World Meteorological Organization 世界気象機関)は地球規模の温暖化の進行は酷暑日の頻度の増加, あるいは長期化をもたらすと警告している. それにより暑熱環境による影響は高温作業従事者など特殊な集団に限らず, 今後は, 屋外作業従事者, あるいは一般集団に拡大していくことが予測される. さらに暑熱による深刻な健康影響は比較的高齢者層に顕著であることから1), 公衆衛生学的な視点からも重要な問題である. 一方, 近年の食生活を中心とした急速な生活様式の変化による脂質代謝の破綻は疾病構造を大きく変貌させ, 医学的, 社会的な問題になっており, それは一つ高齢者における問題にとどまらないことは言を待たない.
ISSN:1341-0725
1349-533X
DOI:10.1539/sangyoeisei.KJ00002552622