次世代の哺乳類学を担う若手研究者・学生の積極的な交流の展望~自由集会の企画とアンケート結果をもとに

日本哺乳類学会2016年度大会において,著者らは若手研究者や学生の学識的な交流の場を提供することを目的とした自由集会を開催し,本集会の効果や同年代での交流の必要性を調べるアンケート調査を実施した.本集会への参加者は約50名にのぼり,学部生から社会人まで幅広い構成となった.アンケート結果では,参加者は学生(学部・修士・博士・研究生)が最も多く,全体の75%を占めた.また,アンケート回答者の88%が集会の内容に満足したと回答し,回答者全員が哺乳類学会において同年代との交流や同年代の哺乳類研究,就職状況等に関する企画が必要であると回答していた.他の学会と比較し,哺乳類学会は若手研究者や学生間での交流...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inHonyūrui kagaku Vol. 57; no. 1; pp. 91 - 97
Main Authors 池田, 敬, 松本, 悠貴, 内田, 健太, 小林, 峻, 渋谷, 未央, 水口, 大輔, 東城, 義則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Kyoto 日本哺乳類学会 01.01.2017
Japan Science and Technology Agency
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:日本哺乳類学会2016年度大会において,著者らは若手研究者や学生の学識的な交流の場を提供することを目的とした自由集会を開催し,本集会の効果や同年代での交流の必要性を調べるアンケート調査を実施した.本集会への参加者は約50名にのぼり,学部生から社会人まで幅広い構成となった.アンケート結果では,参加者は学生(学部・修士・博士・研究生)が最も多く,全体の75%を占めた.また,アンケート回答者の88%が集会の内容に満足したと回答し,回答者全員が哺乳類学会において同年代との交流や同年代の哺乳類研究,就職状況等に関する企画が必要であると回答していた.他の学会と比較し,哺乳類学会は若手研究者や学生間での交流が限られているため,これらの年代を対象とした企画は人材育成の場や研究発展の場として貢献すると考えられる.その一方で,アンケート結果は参加者の所属や所属地域による偏りがあり,参加者の専門は多岐にわたっていることから,若手研究者や学生の全体的な意見を反映していない可能性がある.そのため,幅広くアンケートを実施し,学会に所属する多くの若手研究者や学生のニーズを汲み取った学会運営が望まれる.
ISSN:0385-437X
1881-526X
DOI:10.11238/mammalianscience.57.91