危機事象に備えるための事前準備アクションチェックリストの開発

「I. 背景」近年, 我が国では地震や台風, 水害などの自然災害の発生件数は増加傾向にあり企業にも多大な被害が及んでいる. また, 設備の老朽化, 人員の削減, 教育機会の減少, 非定常作業などにおける協力会社の管理上の問題点, 設計面での欠陥などを背景に, 工場災害も発生し続けている. そのような危機事象が発生した際, 危機に晒される従業員や危機に対処する従業員など, さまざまな立場の従業員が, 化学的, 物理的, 生物学的, 心理社会的などの健康障害リスクに直面する. またそのリスクは時間経過とともに変化していく. 産業保健専門職は, それらの健康障害リスクから従業員の健康を守るために,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in産業衛生学雑誌 Vol. 63; no. 6; pp. 319 - 322
Main Authors 五十嵐, 侑, 立石, 清一郎, 松岡, 朱理, 横川, 智子, 森, 晃爾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本産業衛生学会 20.11.2021
日本産業衛生学会
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「I. 背景」近年, 我が国では地震や台風, 水害などの自然災害の発生件数は増加傾向にあり企業にも多大な被害が及んでいる. また, 設備の老朽化, 人員の削減, 教育機会の減少, 非定常作業などにおける協力会社の管理上の問題点, 設計面での欠陥などを背景に, 工場災害も発生し続けている. そのような危機事象が発生した際, 危機に晒される従業員や危機に対処する従業員など, さまざまな立場の従業員が, 化学的, 物理的, 生物学的, 心理社会的などの健康障害リスクに直面する. またそのリスクは時間経過とともに変化していく. 産業保健専門職は, それらの健康障害リスクから従業員の健康を守るために, 次に発生する健康リスクを予測しながら, 優先順位をつけて予防的介入を行っていく必要がある. しかし, それぞれの事業場における危機事象は頻繁に発生するものではなくため, 産業保健職に経験に基づく知識と技術を蓄積することは困難である.
ISSN:1341-0725
1349-533X
DOI:10.1539/sangyoeisei.2020-046-S