磁気を利用した簡易集じん法による金属研磨粉じんばく露の抑制
「はじめに」厚生労働省が集計した平成30年度の業務上疾病者数によれば, 「じん肺およびじん肺合併症」に罹患した労働者数は165名となったものの, 近年は目立った減少傾向も見られず, 引き続き労働環境における粉じん対策の励行と強化が求められる状況にある. 鉱物性粉じんと並んで代表的なじん肺の起因物質である金属粉じんは, 金属加工・製造業や建設現場等における研磨作業によって大量に発生し, 作業者に無視できないばく露をもたらす場合がある. また, 多くの研磨粉じんは高速で回転する研磨材と被研削物との物理的な接触から発するため, 強い指向性を以て飛散する場合が多い(粒径が数十~数百μmなら回転の接線方...
Saved in:
Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 63; no. 4; pp. 129 - 132 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本産業衛生学会
20.07.2021
日本産業衛生学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1341-0725 1349-533X |
DOI | 10.1539/sangyoeisei.2020-023-C |
Cover
Summary: | 「はじめに」厚生労働省が集計した平成30年度の業務上疾病者数によれば, 「じん肺およびじん肺合併症」に罹患した労働者数は165名となったものの, 近年は目立った減少傾向も見られず, 引き続き労働環境における粉じん対策の励行と強化が求められる状況にある. 鉱物性粉じんと並んで代表的なじん肺の起因物質である金属粉じんは, 金属加工・製造業や建設現場等における研磨作業によって大量に発生し, 作業者に無視できないばく露をもたらす場合がある. また, 多くの研磨粉じんは高速で回転する研磨材と被研削物との物理的な接触から発するため, 強い指向性を以て飛散する場合が多い(粒径が数十~数百μmなら回転の接線方向に "射出される" のに対し, 粒径がそれ以下の粒子なら回転体が起こす気流に随伴して周囲に拡散する. どちらにせよ, 金属研磨粉じんは特定の方向へ集中的に飛散する傾向が強い). |
---|---|
ISSN: | 1341-0725 1349-533X |
DOI: | 10.1539/sangyoeisei.2020-023-C |