気管支鏡所見のとらえ方(気管支鏡セミナーより)

気管支内腔をありのままに観察できる気管支鏡は, 幾多の改良が重ねられ呼吸器疾患に携わる医師のみならず救急医療, 集中医療においても日常的に使用される医療機器となった. 中でも呼吸器内視鏡医は, 気管支内腔を詳細に観察することで, 対象となる呼吸器疾患の気管支鏡所見を把握する必要がある. 現在では気管支ビデオスコープの普及と進歩により解像度の増した質の高い内視鏡観察が可能となっている. 「気管支鏡所見の解析」 「A:正常気管支内視鏡所見の確認」 正常気管支壁の層構造は, 上皮層, 上皮下層, 筋層, 筋外層, 軟骨層, 軟骨周囲層の6層と気管支外組織に大別されるが, 気管支鏡で確認される正常の気...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 36; no. 4; pp. 422 - 427
Main Author 渋谷, 潔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2014
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.36.4_422

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Summary:気管支内腔をありのままに観察できる気管支鏡は, 幾多の改良が重ねられ呼吸器疾患に携わる医師のみならず救急医療, 集中医療においても日常的に使用される医療機器となった. 中でも呼吸器内視鏡医は, 気管支内腔を詳細に観察することで, 対象となる呼吸器疾患の気管支鏡所見を把握する必要がある. 現在では気管支ビデオスコープの普及と進歩により解像度の増した質の高い内視鏡観察が可能となっている. 「気管支鏡所見の解析」 「A:正常気管支内視鏡所見の確認」 正常気管支壁の層構造は, 上皮層, 上皮下層, 筋層, 筋外層, 軟骨層, 軟骨周囲層の6層と気管支外組織に大別されるが, 気管支鏡で確認される正常の気管支粘膜は透明で, みずみずしく光沢があり, 正常の気管支では, 弾力線維束からなる白色の縦走壁, 樹枝状の血管網, 平滑筋からなる輪状襞, 気管支軟骨が認められる. 実際の気管支鏡検査においてはこれら既存の正常構造を念頭に置いて, 色調変化, 上皮の性状の変化, 構造の変化などに注目して気管支鏡所見の解析をすすめることとなる.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.36.4_422