術前の気管支鏡検査が有用であった膵癌肺転移の2手術例

背景.膵癌は切除後再発率が高く予後不良な疾患で,肺転移に対して切除を施行した報告は少ない.症例1は53歳女性, 2004年に膵癌手術施行. 2009年胸部CTで右上葉に孤立性腫瘤を認めた.気管支鏡下擦過細胞診で膵癌転移の診断であった.上中葉間が完全分葉不全であり上中葉切除を施行した. 2014年12月現在,肺切除後5年経過して再発.症例2は81歳女性, 2010年に膵癌手術施行.重喫煙者で糖尿病あり. 2013年胸部CTで右中葉に孤立性腫瘤があり,FDG-PETでは中葉以外に上葉肺尖部にも集積があった.中葉は気管支鏡下擦過細胞診にて膵癌転移の診断で,胸腔鏡下右中葉切除及び上葉部分切除を施行した...

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Published in気管支学 Vol. 37; no. 5; pp. 544 - 549
Main Authors 藤岡, 真治, 蜂須賀, 康己, 魚本, 昌志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2015
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:背景.膵癌は切除後再発率が高く予後不良な疾患で,肺転移に対して切除を施行した報告は少ない.症例1は53歳女性, 2004年に膵癌手術施行. 2009年胸部CTで右上葉に孤立性腫瘤を認めた.気管支鏡下擦過細胞診で膵癌転移の診断であった.上中葉間が完全分葉不全であり上中葉切除を施行した. 2014年12月現在,肺切除後5年経過して再発.症例2は81歳女性, 2010年に膵癌手術施行.重喫煙者で糖尿病あり. 2013年胸部CTで右中葉に孤立性腫瘤があり,FDG-PETでは中葉以外に上葉肺尖部にも集積があった.中葉は気管支鏡下擦過細胞診にて膵癌転移の診断で,胸腔鏡下右中葉切除及び上葉部分切除を施行した.最終病理は上葉・中葉腫瘍とも膵癌肺転移であった. 2014年12月現在,肺切除後1年経過して右下葉に局所再発あり.結論.転移性肺腫瘍が疑われる場合は,術前に気管支鏡が可能であればできるだけ施行するべきと考える.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.37.5_544