食物による窒息を機に発症した陰圧性肺胞出血の1例

背景.窒息を契機に陰圧性肺水腫を来し,さらに肺胞出血を来すことは稀である.症例.69歳女性.2010年11月,昼食中にもちが喉に詰まり,著明な呼吸困難とチアノーゼを呈した.救急隊到着時SpO_2は50%であり,もちを吸引し,酸素を投与すると徐々に改善した.救急搬送時,胸部X線で右上中肺野に浸潤影を認めた.気管支肺胞洗浄を行ったところ,回収液は血性であった.入院後,酸素投与と抗菌薬治療のみで速やかに胸部X線の陰影は改善した.経過から陰圧性肺胞出血と診断した.結語.食物の窒息など急激な上気道閉塞の後に胸部異常陰影を認めた場合,陰圧性肺水腫・肺胞出血を考える必要がある....

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 34; no. 4; pp. 329 - 334
Main Authors 柳村, 文寛, 滝沢, 陽子, 佐藤, 和弘, 江部, 佑輔, 林, 正周
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2012
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.34.4_329

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Summary:背景.窒息を契機に陰圧性肺水腫を来し,さらに肺胞出血を来すことは稀である.症例.69歳女性.2010年11月,昼食中にもちが喉に詰まり,著明な呼吸困難とチアノーゼを呈した.救急隊到着時SpO_2は50%であり,もちを吸引し,酸素を投与すると徐々に改善した.救急搬送時,胸部X線で右上中肺野に浸潤影を認めた.気管支肺胞洗浄を行ったところ,回収液は血性であった.入院後,酸素投与と抗菌薬治療のみで速やかに胸部X線の陰影は改善した.経過から陰圧性肺胞出血と診断した.結語.食物の窒息など急激な上気道閉塞の後に胸部異常陰影を認めた場合,陰圧性肺水腫・肺胞出血を考える必要がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.34.4_329