孤在性結節影を呈した限局性器質化肺炎の1例

症例. 70歳,男性. C型慢性肝炎に対し2009年11月よりインターフェロンとリバビリンを投与中であった.合併する胸部大動脈瘤の経過観察のため半年毎に胸部CTを施行されており,翌年7月の胸部CTで右S^5に径17mm大の辺縁不整な結節影を指摘された.肺腺癌も疑われたが,腫瘍マーカーや炎症反応の有意な上昇は認めなかった. 1か月後のCTで結節影は増大傾向となり,経気管支肺生検(transbronchial lung biopsy : TBLB),さらに確認のためのCTガイド下生検を施行し,器質化肺炎と診断した.結論. TBLBで確定診断に至った限局性器質化肺炎の1例を経験した.器質化肺炎は臨床...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 34; no. 3; pp. 252 - 256
Main Authors 彌永, 和宏, 吉田, 知栄子, 松岡, 多香子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2012
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.34.3_252

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Summary:症例. 70歳,男性. C型慢性肝炎に対し2009年11月よりインターフェロンとリバビリンを投与中であった.合併する胸部大動脈瘤の経過観察のため半年毎に胸部CTを施行されており,翌年7月の胸部CTで右S^5に径17mm大の辺縁不整な結節影を指摘された.肺腺癌も疑われたが,腫瘍マーカーや炎症反応の有意な上昇は認めなかった. 1か月後のCTで結節影は増大傾向となり,経気管支肺生検(transbronchial lung biopsy : TBLB),さらに確認のためのCTガイド下生検を施行し,器質化肺炎と診断した.結論. TBLBで確定診断に至った限局性器質化肺炎の1例を経験した.器質化肺炎は臨床症状や画像所見の特異性に乏しく,孤在性の結節影を呈する場合,末梢型肺腺癌との鑑別が困難である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.34.3_252