肺内病変,気管支内病変を認めたホジキンリンパ腫の1例

背景.悪性リンパ腫の肺内病変は比較的稀であり,気管支鏡検査を行わない症例も多いため気管支内病変の報告はさらに少ない.症例.22歳男性.発熱を主訴に当科を受診.胸部CT上,両肺の多発結節影,左下葉の空洞を伴う腫瘤影を認めた.気管支鏡検査にて左主気管支には白色扁平隆起性病変が敷石状に認められ,同部の生検より未分化大細胞リンパ腫が疑われたが,確定診断には至らなかった.左鎖骨上窩リンパ節生検でも診断には至らず,胸腔鏡下右肺部分切除術を施行.ホジキンリンパ腫,結節硬化型の診断を得た.化学療法2コース終了後,肺内病変,気管支内病変は著明に改善した.結論.初診時にホジキンリンパ腫の気管支内病変を認める症例は...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 6; pp. 523 - 527
Main Authors 小笠原, 隆, 笠松, 紀雄, 加藤, 史照, 望月, 孝裕, 橋爪, 一光, 西村, 倫太郎, 笠井, 大, 籾木, 茂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2010
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.32.6_523

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Summary:背景.悪性リンパ腫の肺内病変は比較的稀であり,気管支鏡検査を行わない症例も多いため気管支内病変の報告はさらに少ない.症例.22歳男性.発熱を主訴に当科を受診.胸部CT上,両肺の多発結節影,左下葉の空洞を伴う腫瘤影を認めた.気管支鏡検査にて左主気管支には白色扁平隆起性病変が敷石状に認められ,同部の生検より未分化大細胞リンパ腫が疑われたが,確定診断には至らなかった.左鎖骨上窩リンパ節生検でも診断には至らず,胸腔鏡下右肺部分切除術を施行.ホジキンリンパ腫,結節硬化型の診断を得た.化学療法2コース終了後,肺内病変,気管支内病変は著明に改善した.結論.初診時にホジキンリンパ腫の気管支内病変を認める症例は稀であるが,正確な病期診断,他疾患の否定のため積極的に気管支鏡検査を行う必要がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.32.6_523