気管支動脈起始部に発生した縦隔型気管支動脈瘤の1例

背景.気管支動脈瘤は比較的稀ではあるが,破裂すると致死的となり得る疾患である.また,気管支動脈起始部付近にできた気管支動脈瘤は特に報告が少ない.症例.症例は64歳女性.胸部X線写真にて異常影を指摘され,胸部造影CTを施行したところ,遠位弓部大動脈の左側に径2.5cm大の濃染される陰影と左肺上葉に径2cm大のすりガラス陰影を指摘された.血管造影では遠位弓部大動脈より分岐する気管支動脈の起始部が動脈瘤となっており肺病変と同時手術の方針とした.動脈瘤に対しては,大動脈にside clampをかけて切除し,肺病変に対しては左肺上葉部分切除を施行し,野口分類typeAの腺癌との診断を得た.結論.気管支動...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 7; pp. 526 - 531
Main Authors 坂本, 和裕, 椿原, 基史, 中山, 裕子, 正津, 晶子, 松本, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2006
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.28.7_526

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Summary:背景.気管支動脈瘤は比較的稀ではあるが,破裂すると致死的となり得る疾患である.また,気管支動脈起始部付近にできた気管支動脈瘤は特に報告が少ない.症例.症例は64歳女性.胸部X線写真にて異常影を指摘され,胸部造影CTを施行したところ,遠位弓部大動脈の左側に径2.5cm大の濃染される陰影と左肺上葉に径2cm大のすりガラス陰影を指摘された.血管造影では遠位弓部大動脈より分岐する気管支動脈の起始部が動脈瘤となっており肺病変と同時手術の方針とした.動脈瘤に対しては,大動脈にside clampをかけて切除し,肺病変に対しては左肺上葉部分切除を施行し,野口分類typeAの腺癌との診断を得た.結論.気管支動脈起始部にできた動脈瘤は非常に稀であるため報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.28.7_526