開胸・胸腔鏡下肺生検により UIP と診断された特発性間質性肺炎の BALF 所見の検討

• Published in: The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 19; no. 2; pp. 98 - 104
• Main Authors: 谷口, 治子, 中山, 聖子, 福島, 喜代康, 石松, 祐二, 松原, 祐一, 良永, 倫子, 河本, 定洋, 飯田, 桂子, 藤井, 毅, 白井, 亮, 川上, かおる, 阿部, 航, 門田, 淳一, 河野, 茂
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1997; 日本気管支学会; The Japan Society for Respiratory Endoscopy
• Subjects: Bronchoalveolar lavage; Idiopathic interstitial pneumonia; Open・thoracoscopic lung biopsy; UIP; 気管支肺胞洗浄; 特発性間質性肺炎; 開胸・胸腔鏡下肺生検
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.19.2_98

開胸もしくは胸腔鏡下肺生検によって, 病理組織学的にusual interstitial pneumonia(UIP)の診断が得られた慢性型の特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonia ; IIP) 18症例の安定期の気管支肺胞洗浄液(BALF)所見を, 個々の症例についての臨床検査所見との対比を含めて検討した。IIP症例のBALF所見では, 非喫煙・健常成人(11例)と比較して総細胞数と好中球比率の有意な増加を認めたが, ばらつきもあり, 特異的な所見とは言えなかった。リンパ球比率, 好酸球比率およびCD4/CD8比には統計学的な差はみられなかった。総細胞数は, %VCとPaO_2との間に正の相関傾向を認め, IIPの病勢との関連が示唆されたが, 好中球比率をはじめ各細胞成分と検査所見との間には明らかな関連はみられなかった。また, UIPの病理組織診断を呈した膠原病性間質性肺炎8例とIIPのBALF所見の比較では, 明らかな違いは認めなかった。