イトラコナゾールが著効を示した菌球型気管支アスペルギルス症の 1 例

症例は74歳, 女性。主訴は咳嗽, 喀痰。胸部単純, 断層X線上, 舌区気管支の中枢部に一致して腫瘤影を認めた。入院後に気管支鏡検査を施行し, 左B^4, B^5に緑褐色の泥状塊をそれぞれ1個ずつ認めた。同部位から気管支鏡下生検を行い, Aspergillus fumigatusを検出し, 菌球型気管支アスペルギルス症と診断された。triazole系のItraconazoleを投与した結果, 咳嗽, 喀痰は軽快し, 3ヵ月後には真菌塊は消失していた。本疾患の報告例は少なく, Itraconazoleの投与により治癒したと考えられる1例を経験したので報告する。...

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Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 18; no. 5; pp. 492 - 496
Main Authors 石川, 博一, 斎藤, 武文, 大塚, 眞人, 渡辺, 定友, 深井, 志摩夫, 柳内, 登, 玉井, 誠一, 長谷川, 鎮雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1996
日本気管支学会
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Summary:症例は74歳, 女性。主訴は咳嗽, 喀痰。胸部単純, 断層X線上, 舌区気管支の中枢部に一致して腫瘤影を認めた。入院後に気管支鏡検査を施行し, 左B^4, B^5に緑褐色の泥状塊をそれぞれ1個ずつ認めた。同部位から気管支鏡下生検を行い, Aspergillus fumigatusを検出し, 菌球型気管支アスペルギルス症と診断された。triazole系のItraconazoleを投与した結果, 咳嗽, 喀痰は軽快し, 3ヵ月後には真菌塊は消失していた。本疾患の報告例は少なく, Itraconazoleの投与により治癒したと考えられる1例を経験したので報告する。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.18.5_492