U字釘による気道異物の除去にオーバーチューブが有用であった1例
背景.U字釘の誤嚥は健常成人で職業に関連して起こることが多い.症例.38歳,男性.電気配線工事の作業中,口にくわえていたU字釘を誤嚥し前医を受診した.胸部エックス線検査で左肺門部に異物が確認され当院を紹介され,受診した.ミダゾラムによる鎮静下に軟性気管支鏡で観察を行ったところU字釘は左上下幹分岐部に留まり,釘の先端は口側に向いていた.脚長20mm×外幅13mmの大きさで挿管チューブや硬性鏡管内への収納は困難であり,回収時に気道を損傷するリスクが高いと考えられた.そこで消化管内視鏡用オーバーチューブを代用し気管内挿管を行った.鰐口鉗子でU字釘を把持し,慎重に引き上げオーバーチューブ内に収納し,安...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 37; no. 6; pp. 639 - 643 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2015
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.37.6_639 |
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Summary: | 背景.U字釘の誤嚥は健常成人で職業に関連して起こることが多い.症例.38歳,男性.電気配線工事の作業中,口にくわえていたU字釘を誤嚥し前医を受診した.胸部エックス線検査で左肺門部に異物が確認され当院を紹介され,受診した.ミダゾラムによる鎮静下に軟性気管支鏡で観察を行ったところU字釘は左上下幹分岐部に留まり,釘の先端は口側に向いていた.脚長20mm×外幅13mmの大きさで挿管チューブや硬性鏡管内への収納は困難であり,回収時に気道を損傷するリスクが高いと考えられた.そこで消化管内視鏡用オーバーチューブを代用し気管内挿管を行った.鰐口鉗子でU字釘を把持し,慎重に引き上げオーバーチューブ内に収納し,安全に体外へ除去することが可能であった.結語.鋭利かつ大きな異物を除去する際,オーバーチューブは気道保護の手段として有用である. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.37.6_639 |