若年者頭蓋内髄膜腫術後肺転移の1例
背景.髄膜腫は一般的に良性の頭蓋内腫瘍とされ,中高齢者に好発し若年発生は稀である.さらに遠隔転移は非常に稀である.症例. 15歳女性. 10歳時に8cm大の左頭頂葉髄膜腫を切除. 14歳時に局所再発により再切除.ともに病理学的に低異型度髄膜腫と診断された.今回,学校検診で胸部異常影を指摘され当科紹介受診.胸部CTにて右肺中下葉に境界明瞭な結節性病変を3個認めた.髄膜腫の肺転移疑いで胸腔鏡下手術を施行. 1個を術中迅速病理診断に提出して転移性髄膜腫であることを確認し,残りすべての腫瘍を切除した.腫瘍は白色で硬く,組織学的には紡錘状細胞が錯綜増殖し,細胞異型は軽度から中等度,核分裂像は少なくMIB...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 36; no. 5; pp. 466 - 470 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2014
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.36.5_466 |
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Summary: | 背景.髄膜腫は一般的に良性の頭蓋内腫瘍とされ,中高齢者に好発し若年発生は稀である.さらに遠隔転移は非常に稀である.症例. 15歳女性. 10歳時に8cm大の左頭頂葉髄膜腫を切除. 14歳時に局所再発により再切除.ともに病理学的に低異型度髄膜腫と診断された.今回,学校検診で胸部異常影を指摘され当科紹介受診.胸部CTにて右肺中下葉に境界明瞭な結節性病変を3個認めた.髄膜腫の肺転移疑いで胸腔鏡下手術を施行. 1個を術中迅速病理診断に提出して転移性髄膜腫であることを確認し,残りすべての腫瘍を切除した.腫瘍は白色で硬く,組織学的には紡錘状細胞が錯綜増殖し,細胞異型は軽度から中等度,核分裂像は少なくMIB-1陽性率2%以下で,低異型度髄膜腫の肺転移と診断された.術後経過は良好で第4病日に退院.術後8カ月経過した現在まで再発は認めていない.結論.低異型度髄膜腫であっても非常に稀ではあるが肺転移を来す場合があるため注意が必要である. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.36.5_466 |