深井ら"末梢気管支を責任気管支とする有瘻性膿胸に対しendobronchial Watanabe spigotを用いた気管支充填術が奏功した1例"

有瘻性膿胸症例は, 多くが陳旧性肺結核後に合併するものであり, 日常診療で散見される. 30年以上前, 筆者が研修医の時代にはまだ患者は多く, 「有瘻性膿胸の治療には外科手術が必須」とされ, 手術に耐えるだけの体力がなく発熱が続く同症の患者では, 対応に苦慮していたことが思い出される. しかし, その後さまざまな気管支充填術が施行されるようになり, 呼吸器内科医がチャレンジできる疾病のひとつになってきた. 筆者もフィブリン糊を数例に使用した経験があるが, 確実性や持続性は今ひとつであった. 渡辺らによるEWS(Endobronchial Watanabe Spigot)を用いた気管支充填術の有...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 6; p. 422
Main Author 山口, 哲生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2011
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.33.6_422

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Summary:有瘻性膿胸症例は, 多くが陳旧性肺結核後に合併するものであり, 日常診療で散見される. 30年以上前, 筆者が研修医の時代にはまだ患者は多く, 「有瘻性膿胸の治療には外科手術が必須」とされ, 手術に耐えるだけの体力がなく発熱が続く同症の患者では, 対応に苦慮していたことが思い出される. しかし, その後さまざまな気管支充填術が施行されるようになり, 呼吸器内科医がチャレンジできる疾病のひとつになってきた. 筆者もフィブリン糊を数例に使用した経験があるが, 確実性や持続性は今ひとつであった. 渡辺らによるEWS(Endobronchial Watanabe Spigot)を用いた気管支充填術の有用性の報告1, 2以降, この治療法は, 未だ保険適用にはなっていないものの, 患者と病院内の許可がえられればかなり安定して行える手技になってきた(なお, 入手のためには医師の個人輸入が原則である).
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.6_422