気管気管支骨軟骨形成症の4例
背景. Tracheobronchopathia osteochondroplastica(気管気管支骨軟骨形成症:TO)は, 剖検で偶然発見されることがある比較的稀な疾患とされてきたが, 近年気管支鏡検査の普及に伴い報告症例が増加している. 我々は5年間に1840例の気管支鏡検査を施行し, そのうち3例(0.16%)に本症が確認された. また, 1例はHRCT所見から本症と診断した. これら4症例について報告する. 症例. 主訴は発熱, 咳嗽の1例と嗄声のl例であり他の2例では自覚症状は認めなかった. 4例中2例で悪性疾患(肺癌, 喉頭癌)の合併がみられた. 病変は気管のみに分布する症例が2...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 26; no. 6; pp. 526 - 530 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2004
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.26.6_526 |
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Summary: | 背景. Tracheobronchopathia osteochondroplastica(気管気管支骨軟骨形成症:TO)は, 剖検で偶然発見されることがある比較的稀な疾患とされてきたが, 近年気管支鏡検査の普及に伴い報告症例が増加している. 我々は5年間に1840例の気管支鏡検査を施行し, そのうち3例(0.16%)に本症が確認された. また, 1例はHRCT所見から本症と診断した. これら4症例について報告する. 症例. 主訴は発熱, 咳嗽の1例と嗄声のl例であり他の2例では自覚症状は認めなかった. 4例中2例で悪性疾患(肺癌, 喉頭癌)の合併がみられた. 病変は気管のみに分布する症例が2例, 気管及び左右主気管支に達する症例が2例であった. 4例ともに本症に対する治療は行っていない. 結論. 気管気管支骨軟骨形成症は発症頻度は少ないと言われているが, 上気道閉塞症状を伴う症例では, 特に鑑別診断の一つに挙げるべきであると考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.26.6_526 |