胸腔鏡にて特異な胸膜病変を呈した肺野型サルコイドーシスの1例

28歳男性, 3年前に胸部異常陰影を指摘され, 精査受けるも確定診断が得られず, 肺結核として治療を受けていた。しかしその後も陰影の改善みられず, また持続性の咳嗽や血痰も出現したため当院紹介入院となった。胸部X線, CT上, 両側肺野に多発結節・浸潤陰影を認めた。これまで計4回の経気管支肺生検が施行されたが確定診断は得られなかった。気管支肺胞洗浄液においてもリンパ球比率やCD4/CD8比の上昇はみられず, 血清ACE値は正常, ツ反のみ陰性であった。また細胞診は陰性, 真菌・一般細菌検査でも異常はみられなかった。他の肉芽腫性疾患との鑑別もあり, 胸腔鏡下肺生検を施行したところ, 特異な肺胸膜...

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Published in気管支学 Vol. 22; no. 1; pp. 40 - 45
Main Authors 池田, 康紀, 桧山, 貴子, 福島, 康次, 梅津, 英央, 小林, 哲, 田村, 元彦, 関, 哲男, 福田, 健, 嶋田, 晃一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2000
日本気管支学会
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Summary:28歳男性, 3年前に胸部異常陰影を指摘され, 精査受けるも確定診断が得られず, 肺結核として治療を受けていた。しかしその後も陰影の改善みられず, また持続性の咳嗽や血痰も出現したため当院紹介入院となった。胸部X線, CT上, 両側肺野に多発結節・浸潤陰影を認めた。これまで計4回の経気管支肺生検が施行されたが確定診断は得られなかった。気管支肺胞洗浄液においてもリンパ球比率やCD4/CD8比の上昇はみられず, 血清ACE値は正常, ツ反のみ陰性であった。また細胞診は陰性, 真菌・一般細菌検査でも異常はみられなかった。他の肉芽腫性疾患との鑑別もあり, 胸腔鏡下肺生検を施行したところ, 特異な肺胸膜変病を認め, 病理学的にサルコイドーシスと診断された。びまん性肺疾患と鑑別を要する肺野型サルコイドーシスの確定診断に, 胸腔鏡検査は有用であった。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.22.1_40