EBUS-TBNAにて気管支内穿破を来した縦隔リンパ節結核の1例

背景.気管支腔内超音波断層法を用いた経気管支針吸引生検(endobronchial ultrasound guided transbronchial needle aspiration:EBUS-TBNA)は,腫瘍性疾患での縦隔リンパ節病変の診断・評価において有用かつ安全な手技として普及しつつあるが,結核性リンパ節炎においての報告は少ない.今回,我々はEBUS-TBNAの穿刺部位より病変が穿破したと考えられた縦隔リンパ節結核の1例を経験したので,報告する.症例.53歳男性.38℃での発熱が1か月以上持続し,抗菌薬などを投与されるも改善なく,不明熱の精査目的で施行されたPET-CTにてFDG集積...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 36; no. 2; pp. 165 - 170
Main Authors 森高, 智典, 中西, 徳彦, 井上, 考司, 橘, さやか
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2014
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.36.2_165

Cover

More Information
Summary:背景.気管支腔内超音波断層法を用いた経気管支針吸引生検(endobronchial ultrasound guided transbronchial needle aspiration:EBUS-TBNA)は,腫瘍性疾患での縦隔リンパ節病変の診断・評価において有用かつ安全な手技として普及しつつあるが,結核性リンパ節炎においての報告は少ない.今回,我々はEBUS-TBNAの穿刺部位より病変が穿破したと考えられた縦隔リンパ節結核の1例を経験したので,報告する.症例.53歳男性.38℃での発熱が1か月以上持続し,抗菌薬などを投与されるも改善なく,不明熱の精査目的で施行されたPET-CTにてFDG集積亢進を伴う縦隔リンパ節腫大を指摘されたため,精査目的に当科を紹介受診した.入院後にEBUS-TBNAを行うも非特異的炎症所見のみで確定診断に至らず,1週間後に再度気管支鏡検査を施行したところ,前回の穿刺部付近から広がるポリープ状の隆起性病変を認めた.同部位にて生検を繰り返した結果,壊死傾向と多核巨細胞を伴う類上皮細胞性肉芽腫の病理結果を得た.臨床経過も併せて縦隔リンパ節結核を疑い,治療と診断を兼ねて抗結核薬4剤併用療法を開始したところ,縦隔リンパ節腫脹および気道内病変ともに速やかな改善を認め,縦隔リンパ節結核の気管内穿破と診断した.結論.縦隔リンパ節結核の場合,EBUS-TBNAにて病変を気管内に穿破させる可能性があり注意が必要である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.36.2_165