分節的気管食道合併切除を施行した扁平上皮癌の1例

例;59歳, 男性. 現病歴;嗄声を主訴に当院耳鼻科を受診. 右喉頭麻痺を認め, 胸部X-Pでは気管の圧排像を, またCTにて気管右壁に縦隔腫瘤を認めたため当科紹介となった. 気管支鏡では気管の粘膜面に病的所見は無く圧排による狭窄所見を認め, 右鎖骨上リンパ節の腫大を認めた. このリンパ節の生検査で扁平上皮癌を認め, 耳鼻科領域での原発巣を検索するも明らかな病巣の確認はできなかった. 原発巣不明の扁平上皮癌のリンパ節転移の診断下に手術を施行した. 手術は胸骨正中切開で検索すると気管壁に食道と一塊となった腫瘤認め, 気管を4気管輪, 食道合併切除し, 気管は端々吻合, 食道は遊離空腸で再建後,...

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Published in気管支学 Vol. 25; no. 3; p. 222
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Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003
日本気管支学会
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Summary:例;59歳, 男性. 現病歴;嗄声を主訴に当院耳鼻科を受診. 右喉頭麻痺を認め, 胸部X-Pでは気管の圧排像を, またCTにて気管右壁に縦隔腫瘤を認めたため当科紹介となった. 気管支鏡では気管の粘膜面に病的所見は無く圧排による狭窄所見を認め, 右鎖骨上リンパ節の腫大を認めた. このリンパ節の生検査で扁平上皮癌を認め, 耳鼻科領域での原発巣を検索するも明らかな病巣の確認はできなかった. 原発巣不明の扁平上皮癌のリンパ節転移の診断下に手術を施行した. 手術は胸骨正中切開で検索すると気管壁に食道と一塊となった腫瘤認め, 気管を4気管輪, 食道合併切除し, 気管は端々吻合, 食道は遊離空腸で再建後, 頚部郭清をおこなった. 術後経過は良好で退院したが, 術後6ヶ月で頸部リンパ節腫大で再発し現在加療中である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.3_222_3