局所麻酔下胸腔鏡の手技(気管支鏡セミナーより)

「緒言」 胸水貯留は多種の疾患に起因し, その確定診断には胸水の生化学検査や胸膜の細菌検査, 病理診断が必要になることがある. また中等量以上の片側胸水貯留症例の多くは胸腔ドレナージが必要になる. 局所麻酔下胸腔鏡は胸腔内視鏡観察と壁側胸膜生検, そして胸腔ドレナージを一連の手順として行う手技である. 検査設備と機器がそろっていれば内視鏡手技自体は難しくなく, その安全性も高い. 検査後にはドレナージによる有効な胸腔減圧処置が行われるため, 胸水貯留患者からみると自覚症状は軽減していることが多い. 胸腔鏡手技, 所見の取り方, 適切な生検手技などのトレーニングを積む必要があるが, 胸膜炎の初期...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 5; pp. 361 - 365
Main Author 鏑木, 孝之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2011
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.33.5_361

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Summary:「緒言」 胸水貯留は多種の疾患に起因し, その確定診断には胸水の生化学検査や胸膜の細菌検査, 病理診断が必要になることがある. また中等量以上の片側胸水貯留症例の多くは胸腔ドレナージが必要になる. 局所麻酔下胸腔鏡は胸腔内視鏡観察と壁側胸膜生検, そして胸腔ドレナージを一連の手順として行う手技である. 検査設備と機器がそろっていれば内視鏡手技自体は難しくなく, その安全性も高い. 検査後にはドレナージによる有効な胸腔減圧処置が行われるため, 胸水貯留患者からみると自覚症状は軽減していることが多い. 胸腔鏡手技, 所見の取り方, 適切な生検手技などのトレーニングを積む必要があるが, 胸膜炎の初期診療を担当する医師, 特に内科医が身に付けるべき検査である. 「適応」 局所麻酔下胸腔鏡は片側胸水貯留症例(胸膜炎)の大多数が適応となる. 両側性の胸水は漏出性の頻度が高く, その原因疾患は心不全, 低蛋白血症など胸膜病変以外に存在することが多く, 胸腔鏡検査の前に全身のチェックが必要である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.5_361