井上ら"フルチカゾン吸入が有効であった気管形成術後吻合部肉芽狭窄の1例"

著者らは気管形成術後の肉芽狭窄に対して, フルチカゾン吸入が有効であった症例を報告している. 気管の肉芽腫性狭窄の原因としては, 本症例のような気管形成術, また気管内挿管術, 気管切開術などが報告されているが1-5, 吸入ステロイド療法が奏効した症例も散見される1,3-5. その他には, バルーン拡張術, レーザー焼灼術, スネア焼灼術, ステント留置術, 気管再建術など侵襲性がある治療方法が挙げられる. 本症例の経過においては, 1)呼吸器内視鏡による侵襲的治療の方針になってもまずはステロイド吸入療法を試みていること, 2)その効果を注意深く観察して, 画一的に侵襲的治療に移行していないこ...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 36; no. 2; pp. 119 - 120
Main Author 大泉, 聡史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2014
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.36.2_119

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Summary:著者らは気管形成術後の肉芽狭窄に対して, フルチカゾン吸入が有効であった症例を報告している. 気管の肉芽腫性狭窄の原因としては, 本症例のような気管形成術, また気管内挿管術, 気管切開術などが報告されているが1-5, 吸入ステロイド療法が奏効した症例も散見される1,3-5. その他には, バルーン拡張術, レーザー焼灼術, スネア焼灼術, ステント留置術, 気管再建術など侵襲性がある治療方法が挙げられる. 本症例の経過においては, 1)呼吸器内視鏡による侵襲的治療の方針になってもまずはステロイド吸入療法を試みていること, 2)その効果を注意深く観察して, 画一的に侵襲的治療に移行していないこと, 3)よって侵襲性のほとんどないステロイド吸入治療によって長期的に良好な結果が得られ, 60歳代後半と比較的高齢の症例にもかかわらずQOLが保たれていること, が特筆すべき点である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.36.2_119