PCPS (経皮的心肺補助装置)により安全にステント留置できた症例

背景.高度の気道狭窄に対するステント留置術は,操作中に致死的な合併症を来す可能性がある.症例. 66歳男性. 6年前に他院にて肺扁平上皮癌の診断で左肺全摘術後,左気管支断端に再発,気管食道瘻に対して食道ステント留置術を施行された.某日.自宅で呼吸停止となり当院救急外来に搬送され挿管,人工呼吸管理となった.胸部CT撮影より,気管下端の閉塞が認められ,食道ステントによる気道狭窄が疑われた.人工呼吸管理下に経皮的心肺補助装置(PCPS)を装着後metallic stentを挿入しステント留置を行った.結論. PCPSは,高度の気道狭窄の際に換気障害が生じる場合や不安定な呼吸循環動態の状態には,補助手...

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Published in気管支学 Vol. 34; no. 5; pp. 433 - 436
Main Authors 小松, 佳道, 濱, 峰幸, 品川, 千, 蜂谷, 勤, 本田, 孝行, 久保, 惠嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2012
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:背景.高度の気道狭窄に対するステント留置術は,操作中に致死的な合併症を来す可能性がある.症例. 66歳男性. 6年前に他院にて肺扁平上皮癌の診断で左肺全摘術後,左気管支断端に再発,気管食道瘻に対して食道ステント留置術を施行された.某日.自宅で呼吸停止となり当院救急外来に搬送され挿管,人工呼吸管理となった.胸部CT撮影より,気管下端の閉塞が認められ,食道ステントによる気道狭窄が疑われた.人工呼吸管理下に経皮的心肺補助装置(PCPS)を装着後metallic stentを挿入しステント留置を行った.結論. PCPSは,高度の気道狭窄の際に換気障害が生じる場合や不安定な呼吸循環動態の状態には,補助手段として有用と考える.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.34.5_433