肺門リンパ節に対する超音波気管支鏡下針生検(EBUS-TBNA)が確定診断および病期診断に有用であった末梢型肺癌の2例

背景.小型の末梢肺病変の診断に難渋することが多い.縦隔・肺門リンパ節の穿刺細胞診や生検が確定診断に有用であるとの報告が散見されるため,EBUS-TBNAによる縦隔・肺門リンパ節生検を施行し,原発巣と思われる末梢型肺癌の診断を確定した2症例を報告する.症例.2症例とも末梢病変に対し透視下気管支鏡による経気管支生検を施行したが悪性所見は得られなかった.腫大した肺門リンパ節に対しEBUS-TBNAを施行し,組織標本の病理組織学的所見よりそれぞれ低分化扁平上皮癌,小細胞肺癌と確定診断された.結論.従来の経気道的な気管支鏡による検体採取が困難な末梢型肺癌の診断には,縦隔・肺門リンパ節腫大を認める場合,E...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 4; pp. 308 - 313
Main Authors 稲瀬, 直彦, 大谷, 義夫, 小島, 勝雄, 藤井, ゆみ, 山崎, 智久, 藤原, 直之, 岡本, 師, 古家, 正, 宮崎, 泰成, 玉岡, 明洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2010
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.32.4_308

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Summary:背景.小型の末梢肺病変の診断に難渋することが多い.縦隔・肺門リンパ節の穿刺細胞診や生検が確定診断に有用であるとの報告が散見されるため,EBUS-TBNAによる縦隔・肺門リンパ節生検を施行し,原発巣と思われる末梢型肺癌の診断を確定した2症例を報告する.症例.2症例とも末梢病変に対し透視下気管支鏡による経気管支生検を施行したが悪性所見は得られなかった.腫大した肺門リンパ節に対しEBUS-TBNAを施行し,組織標本の病理組織学的所見よりそれぞれ低分化扁平上皮癌,小細胞肺癌と確定診断された.結論.従来の経気道的な気管支鏡による検体採取が困難な末梢型肺癌の診断には,縦隔・肺門リンパ節腫大を認める場合,EBUS-TBNAによるリンパ節生検は原発巣と思われる末梢型肺癌の確定診断に有用である.採取された組織検体に免疫染色を加えることで,より正確な組織型の診断が可能である.さらに比較的低侵襲であるので考慮すべき手技であると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.32.4_308