Nd-YAG レーザーと放射線照射の併用治療にて CR が得られた気管原発扁平上皮癌の 1 例

症例は77歳の男性で, 血痰を主訴として近医を受診。気管支鏡検査にて気管分岐部口側の気管膜様部に, 内腔に突出する2.0×1.5cmの腫瘍を発見され, 生検の結果扁平上皮癌と診断された為, 手術目的にて当科入院した。心筋梗塞の既往歴があり, 精査を行ったところ冠動脈3枝病変と診断され, 年齢, 全身状態も考慮して手術による切除は困難と判断した。胸部CTでは腫瘍の食道への浸潤, 縦隔リンパ節腫大はなく, 全身精査で明かな転移は認められず, Nd-YAGレーザーおよび放射線照射による局所療法を行うこととした。まず, 気管支鏡下にNd-YAGレーザーを出力30Wで, 5回にわたり総エネルギー3466...

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Published in気管支学 Vol. 16; no. 5; pp. 525 - 530
Main Authors 林, 明宏, 林田, 良三, 服部, 隆一, 小野, 博典, 高木, 賢明, 都志見, 睦生, 松尾, 敏弘, 富松, 久信, 古賀, 俊彦, 早渕, 尚文, 掛川, 暉夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1994
日本気管支学会
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Summary:症例は77歳の男性で, 血痰を主訴として近医を受診。気管支鏡検査にて気管分岐部口側の気管膜様部に, 内腔に突出する2.0×1.5cmの腫瘍を発見され, 生検の結果扁平上皮癌と診断された為, 手術目的にて当科入院した。心筋梗塞の既往歴があり, 精査を行ったところ冠動脈3枝病変と診断され, 年齢, 全身状態も考慮して手術による切除は困難と判断した。胸部CTでは腫瘍の食道への浸潤, 縦隔リンパ節腫大はなく, 全身精査で明かな転移は認められず, Nd-YAGレーザーおよび放射線照射による局所療法を行うこととした。まず, 気管支鏡下にNd-YAGレーザーを出力30Wで, 5回にわたり総エネルギー34667Jの照射を行った後, 気管及び上縦隔に60Gyの放射線照射を行った。治療後3年を経過した現在も内視鏡的生検及び, 胸部CTにても再発の兆候は認められない。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.16.5_525