超音波気管支鏡下リンパ節生検(EBUS-TBNA)施行後に発生した急性縦隔炎の1例
背景.超音波気管支鏡下リンパ節生検(EBUS-TBNA)は施行例が増加しているが,その合併症については明らかでないところもある.症例.66歳男性.2008年6月,肺腺癌(pT1NXM0)に対して右肺中葉切除術が施行された.2009年5月の胸部CTで気管前リンパ節の腫大が認められ,縦隔リンパ節再発が疑われた.確定診断目的にEBUS-TBNAが施行された.検査5日後に外来受診をした際に,発熱,著明な炎症反応の上昇と,CT検査上,縦隔の脂肪織の腫大と濃度上昇が認められた.急性縦隔炎と診断され,抗菌薬投与にて加療され,全身状態は改善した.結論.EBUS-TBNAには急性縦隔炎という重篤な合併症があるこ...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 4; pp. 352 - 355 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2010
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.32.4_352 |
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Summary: | 背景.超音波気管支鏡下リンパ節生検(EBUS-TBNA)は施行例が増加しているが,その合併症については明らかでないところもある.症例.66歳男性.2008年6月,肺腺癌(pT1NXM0)に対して右肺中葉切除術が施行された.2009年5月の胸部CTで気管前リンパ節の腫大が認められ,縦隔リンパ節再発が疑われた.確定診断目的にEBUS-TBNAが施行された.検査5日後に外来受診をした際に,発熱,著明な炎症反応の上昇と,CT検査上,縦隔の脂肪織の腫大と濃度上昇が認められた.急性縦隔炎と診断され,抗菌薬投与にて加療され,全身状態は改善した.結論.EBUS-TBNAには急性縦隔炎という重篤な合併症があることを留意すべきである. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.32.4_352 |