気管原発神経鞘腫に対して,高頻度ジェット換気を行い,高周波スネア切除を施行した1例
背景.気管神経鞘腫は気管原発腫瘍の2.6%とまれな腫瘍である.今回高頻度ジェット換気(HFJV)を行い気管支鏡下に切除した1例を経験した.症例. 36歳の男性.突然の呼吸困難を主訴に救急搬送され,胸部CTで左気胸,縦隔気腫,および気管分岐部から気管内に突出する約3cmの腫瘤を認めた.同日左胸腔ドレナージの後に気管支鏡を施行した.表面に光沢のある凹凸不整な腫瘤が右主気管支を閉塞し,気管にも突出していたが,可視範囲の気管気管支に損傷部位はなかった.気胸はドレナージ後速やかに改善した. 9日後に経静脈麻酔下に左主気管支にHFJVを行い,軟性気管支鏡を用いて,腫瘍茎に高周波スネアをかけ一塊に切除した....
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 34; no. 6; pp. 577 - 581 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2012
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.34.6_577 |
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Summary: | 背景.気管神経鞘腫は気管原発腫瘍の2.6%とまれな腫瘍である.今回高頻度ジェット換気(HFJV)を行い気管支鏡下に切除した1例を経験した.症例. 36歳の男性.突然の呼吸困難を主訴に救急搬送され,胸部CTで左気胸,縦隔気腫,および気管分岐部から気管内に突出する約3cmの腫瘤を認めた.同日左胸腔ドレナージの後に気管支鏡を施行した.表面に光沢のある凹凸不整な腫瘤が右主気管支を閉塞し,気管にも突出していたが,可視範囲の気管気管支に損傷部位はなかった.気胸はドレナージ後速やかに改善した. 9日後に経静脈麻酔下に左主気管支にHFJVを行い,軟性気管支鏡を用いて,腫瘍茎に高周波スネアをかけ一塊に切除した.病理結果はAntoni A型の神経鞘腫であった.その後,気管支鏡下に粘膜下局注生検を2回行い,2回目には腫瘍の遺残を認めなくなった.結論.気管を閉塞するような大きな気管神経鞘腫に対して, HFJV下の切除が可能であった. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.34.6_577 |