肺末梢病変に対するガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)を併用した気管支鏡検査と非併用気管支鏡検査の比較検討 : EBUS-GSの導入は診断率を著明に向上させる
背景.ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)は, EBUSで病変の位置を三次元的に確認しガイドシースを留置することで同一箇所にて繰り返し擦過・生検が可能である.近年EBUS-GSの有用性が報告されているがEBUS-GS導入前後の有用性の検討は少ない.目的.今回,我々はEBUS-GSの有用性を導入前と比較検討した.方法. 2008年6月から2009年12月に肺末梢病変に対してX線透視下でEBUS-GSを用いて経気管支肺生検,擦過細胞診およびキュレットなど(TBLBなど)が行われた103例を対象(EBUS-GS(E)群)とし,2006年10月から2008年5月にX線透視下でTBL...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 34; no. 3; pp. 223 - 227 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2012
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.34.3_223 |
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Summary: | 背景.ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)は, EBUSで病変の位置を三次元的に確認しガイドシースを留置することで同一箇所にて繰り返し擦過・生検が可能である.近年EBUS-GSの有用性が報告されているがEBUS-GS導入前後の有用性の検討は少ない.目的.今回,我々はEBUS-GSの有用性を導入前と比較検討した.方法. 2008年6月から2009年12月に肺末梢病変に対してX線透視下でEBUS-GSを用いて経気管支肺生検,擦過細胞診およびキュレットなど(TBLBなど)が行われた103例を対象(EBUS-GS(E)群)とし,2006年10月から2008年5月にX線透視下でTBLBなどが行われた102例を対照(Control (C)群)とした.E群では超音波プローブおよびガイドシースを用いた.両群とも仮想気管支鏡ナビゲーションおよび迅速細胞診は併用しなかった.結果.両群間で患者の年齢や性別,病変の大きさ,検査時間に有意な差は認めなかった.診断率は20mm以下(88.6% vs. 30.8%, p<0.0001), 21mm以上(91.2% vs. 52.6%, p<0.0001)であり, E群の方が有意に高かった. EBUSが全周に得られた場合は感度98.4%,正診率98.6%であり, EBUSが辺縁にしか得られなかった場合は感度80.0%,正診率85.7%であり,全周の場合と比較して有意に低かった.結論.肺末梢病変に対する従来のX線透視下のみの気管支鏡検査がEBUS-GSを併用した気管支鏡検査になることで,施設や施行医に関わらず診断がより容易になると考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.34.3_223 |