気管支内腔に腫瘤性病変を認めた悪性黒色腫の肺転移 3 症例の検討
我々は, 1989年11月から1999年6月までに6例の悪性黒色腫の胸腔内転移を経験し, そのうち気管支鏡検査で気管支内腔に腫瘤性病変を認めた3例について報告する。腫瘤はいずれも茶褐色調の色素沈着を認めない白色の病変であり, 2症例においては腫瘤周囲の気管支粘膜に茶褐色調の色素沈着を伴っていたが, 1症例では全く色調の変化を認めなかった。病理組織学的に, 原発巣はいずれもメラニン色素を認める色素性(melanotic)悪性黒色腫であったが, 肺への転移巣は, melanoticな悪性黒色腫2症例と, メラニン色素を認めない無色素性(amelanotic)悪性黒色腫1症例であった。melanot...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 21; no. 6; pp. 403 - 408 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
1999
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.21.6_403 |
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Summary: | 我々は, 1989年11月から1999年6月までに6例の悪性黒色腫の胸腔内転移を経験し, そのうち気管支鏡検査で気管支内腔に腫瘤性病変を認めた3例について報告する。腫瘤はいずれも茶褐色調の色素沈着を認めない白色の病変であり, 2症例においては腫瘤周囲の気管支粘膜に茶褐色調の色素沈着を伴っていたが, 1症例では全く色調の変化を認めなかった。病理組織学的に, 原発巣はいずれもメラニン色素を認める色素性(melanotic)悪性黒色腫であったが, 肺への転移巣は, melanoticな悪性黒色腫2症例と, メラニン色素を認めない無色素性(amelanotic)悪性黒色腫1症例であった。melanoticかamelanoticな悪性黒色腫であるかは, 気管支内腔に発育した腫瘤表面の色調よりも, 周囲気管支粘膜の色調の変化の有無に一致するものであった。悪性黒色腫の既往がある患者においては, たとえ腫瘤および周囲気管支粘膜の色調に明らかな変化が認められなくても, 転移部位がamelanoticな悪性黒色腫である可能性もあり, 確定診断にはHMB-45等の免疫染色を行うことが重要であると考えられた。 |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.21.6_403 |