硬性気管支鏡(気管支鏡セミナーより)
「1. なぜ硬性気管支鏡か」近年, 気管支鏡は, 侵襲性の高い硬性気管支鏡(以後, 硬性鏡と略す)から低侵襲の軟性気管支鏡の全盛時代になった. しかし, 診断レベルの向上に伴って気管支鏡下治療も発展し, 異物除去をはじめレーザー治療やステント治療など多くの治療法が研究され, 複雑な治療になる程大きな処置孔を有する硬性鏡の需要が増してきた. Dumon scopeに代表される, 外筒の厚みが薄くて多くの処置孔を持つ硬性鏡の登場は, 多様な気管支鏡下治療を普及させたといえる. 「2. 挿入法のコツ」硬性鏡挿入に際して重要なことは, (1)体位, (2)麻酔法, (3)操作法である. (1)体位肩枕...
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Published in | 気管支学 Vol. 29; no. 5; pp. 306 - 308 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2007
日本呼吸器内視鏡学会 |
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Summary: | 「1. なぜ硬性気管支鏡か」近年, 気管支鏡は, 侵襲性の高い硬性気管支鏡(以後, 硬性鏡と略す)から低侵襲の軟性気管支鏡の全盛時代になった. しかし, 診断レベルの向上に伴って気管支鏡下治療も発展し, 異物除去をはじめレーザー治療やステント治療など多くの治療法が研究され, 複雑な治療になる程大きな処置孔を有する硬性鏡の需要が増してきた. Dumon scopeに代表される, 外筒の厚みが薄くて多くの処置孔を持つ硬性鏡の登場は, 多様な気管支鏡下治療を普及させたといえる. 「2. 挿入法のコツ」硬性鏡挿入に際して重要なことは, (1)体位, (2)麻酔法, (3)操作法である. (1)体位肩枕を置いた上で, 後頭部枕を下顎部と体軸が直角になるように仰臥位とする(図1). この体位で呼吸困難が増強して窒息することもあるので, 気道が確保されるまでは, 斜位あるいは側臥位など臨機応変に変更する. (2)麻酔法基本的に全身静脈麻酔法で, short actingな鎮静剤であるプロポフォールに, 鎮痛剤を併用すれば, 安定した状況で治療を進められるが, 麻酔科医と術者との密接な連携は欠かせない. 事前にお互いが協議しておかないと, 術中にパニック状態に陥ることもある. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.29.5_306 |