PCPS補助下 Endscopic surgery が有効であった呼吸不全を伴った肺癌の2例(第25回日本気管支学会総会)

{症例1}56歳, 男性. 2001年7月より背部痛, 乾性咳嗽を認め, 近医受診. 胸部CT, 気管支鏡にて, 右主気管支を閉塞する腫瘤を認めた. 8月21日当院当科紹介入院時には, 呼吸不全となり, 気管支鏡下ステント留置術を施行した. 右主気管支から右中間幹にかけて, covered Ultraflex stent(直径10mm, 長さ4cm)を留置した. {症例2}64歳, 男性. 1997年6月右肺門部原発性肺癌(sq)T4N3M0にて放射線療法, 化学療法を併用したところ, 寛解を得て経過観察していた. 2001年5月5日咳噺, 呼吸不全にて入院. 胸部CT, 気管支鏡にて, 右主...

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Published in気管支学 Vol. 24; no. 3; p. 254
Main Authors 藤田, 匡邦, 上坂, 太祐, 水野, 史朗, 戸谷, 嘉孝, 出村, 芳樹, 飴嶋, 慎吾, 宮森, 勇, 石崎, 武志, 佐々木, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2002
日本気管支学会
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Summary:{症例1}56歳, 男性. 2001年7月より背部痛, 乾性咳嗽を認め, 近医受診. 胸部CT, 気管支鏡にて, 右主気管支を閉塞する腫瘤を認めた. 8月21日当院当科紹介入院時には, 呼吸不全となり, 気管支鏡下ステント留置術を施行した. 右主気管支から右中間幹にかけて, covered Ultraflex stent(直径10mm, 長さ4cm)を留置した. {症例2}64歳, 男性. 1997年6月右肺門部原発性肺癌(sq)T4N3M0にて放射線療法, 化学療法を併用したところ, 寛解を得て経過観察していた. 2001年5月5日咳噺, 呼吸不全にて入院. 胸部CT, 気管支鏡にて, 右主気管支を閉塞する腫瘤を認め, 気管支鏡下ステント留置術を施行した. 気管支から左右主気管支にかけY字Dumon stentを挿入した. 両症例において, 術中PSPSの使用により, 血液中酸素分圧を維持することができた. よって, 出血, 喀痰, 腫瘍自身, 穿孔など, 術中起こりうる換気不全に対し有用と考えられた. また, 術中の吸入酸素濃度を低く維持することができ, 腫瘍の焼却術の際に起こりうる出火の防止に有用と考えられた. 以上, PCPS補助下Endscopic surgeryが有効であった呼吸不全を伴った肺癌の2例を経験したので報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.24.3_254_4