頸部気管内Dumonステント留置時の工夫

背景.頸部気管にDumonステントを留置する場合,挿管困難例への気道確保やステントのずれなどが問題となる.そこで,著者らが行っている頸部気管へのDumonステント留置時の麻酔管理方法と,ステントのずれ(migration)を予防するためのステント固定法について解説する.方法.硬性気管支鏡挿入までの手技は,まずプロポフォール(ゼネカ薬品株式会社,大阪)による持続静脈麻酔下に,ラリンゲルマスク・ファーストラック(Laryngeal Mask Co. Ltd, England)を経口的に挿入して気道を確保する.次いでこのチューブを通してファイバースコープを挿入し,声帯から気管にかけてリドカインにて充...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 2; pp. 80 - 84
Main Authors 高森, 信三, 納富, 昌徳, 林, 明宏, 三輪, 啓介, 白水, 和雄, 光岡, 正浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.25.2_80

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Summary:背景.頸部気管にDumonステントを留置する場合,挿管困難例への気道確保やステントのずれなどが問題となる.そこで,著者らが行っている頸部気管へのDumonステント留置時の麻酔管理方法と,ステントのずれ(migration)を予防するためのステント固定法について解説する.方法.硬性気管支鏡挿入までの手技は,まずプロポフォール(ゼネカ薬品株式会社,大阪)による持続静脈麻酔下に,ラリンゲルマスク・ファーストラック(Laryngeal Mask Co. Ltd, England)を経口的に挿入して気道を確保する.次いでこのチューブを通してファイバースコープを挿入し,声帯から気管にかけてリドカインにて充分に局所麻酔すると同時に内腔を観察する.その後,ラリンゲルマスクを抜去して硬性気管支鏡を挿入し,ステント留置術の手技を開始する.ステントの固定法は,ステントを留置した後,内規鏡で内腔を観察しながら18Gと16Gの静脈留置用カテーテル各1本ずつを経皮的にステント内腔まで刺入し,これらの外筒を通して糸を挿入し,ナイロン糸にて結紮して固定する.結論.ラリンゲルマスク・ファーストラックを使用すると,挿管困難な頸部気管狭窄例でも安全に気道確保ができ,声帯周囲の観察も容易である.また,今回紹介したステント固定法は,特別の機器を必要とせず,どの施設でも簡便に固定できる有用な方法であると考えられた.(気管支学.2003;25:80-84)
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.2_80