制御性B細胞におけるSTIM依存的カルシウム流入の役割
「1. はじめに」 B細胞は抗体を産生して細菌やウイルスなどの病原体から生体を防御するために必須の役割を担っているが, 近年, B細胞の中には抑制性サイトカインの1つであるインターロイキン10(interleukin-10;IL-10)を分泌して自己免疫疾患時の炎症反応を抑制する「制御性B細胞」と呼ばれる亜集団が存在することが明らかにされて注目を浴びている. 1, 2)これらB細胞機能は, B細胞がB細胞受容体を介して抗原を認識し, 細胞内の様々なシグナル伝達経路が活性化されることにより引き起こされる. なかでもB細胞内のCa2+濃度の増加は, B細胞受容体刺激後の主要な反応であると考えられて...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 133; no. 4; pp. 419 - 425 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.04.2013
日本薬学会 |
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Summary: | 「1. はじめに」 B細胞は抗体を産生して細菌やウイルスなどの病原体から生体を防御するために必須の役割を担っているが, 近年, B細胞の中には抑制性サイトカインの1つであるインターロイキン10(interleukin-10;IL-10)を分泌して自己免疫疾患時の炎症反応を抑制する「制御性B細胞」と呼ばれる亜集団が存在することが明らかにされて注目を浴びている. 1, 2)これらB細胞機能は, B細胞がB細胞受容体を介して抗原を認識し, 細胞内の様々なシグナル伝達経路が活性化されることにより引き起こされる. なかでもB細胞内のCa2+濃度の増加は, B細胞受容体刺激後の主要な反応であると考えられているが, その生理的役割はほとんど明らかにされていなかった. Stromal interaction molecule(STIM)は小胞体内のCa2+センサーとして機能し, 抗原刺激後の細胞外からのCa2+流入を媒介することが報告されている. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.12-00227-2 |