気管支内腔に多発粘膜下結節を認めた肺原発MALTリンパ腫の1例

背景.非ホジキンリンパ腫で気管支内腔に所見を認めるものは稀である.今回我々は末梢及び中枢気管支に発生したMALTリンパ腫の1例を経験したので報告する.症例.54歳,女性.2008年10月,検診にて胸部異常影を指摘され近医を受診,胸部CT上,右S^3に3.5×2.4cm大の腫瘤を認め,精査目的に当院紹介となった.経気管支肺生検を施行した際に,左右中枢気管支内腔に多発する粘膜下結節を認めた.末梢の腫瘤に対し生検を施行した結果,低悪性度のB細胞性リンパ腫が疑われた.また中枢気管支の結節性病変からの生検でもMALTリンパ腫と診断された.結論.MALTリンパ腫の多くは消化管に発生するが,稀に本症例のよう...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 2; pp. 176 - 180
Main Authors 大谷, 圭志, 佐治, 久, 大平, 達夫, 内田, 修, 臼田, 実男, 梶原, 直央, 池田, 徳彦, 本多, 英俊, 石角, 太一郎, 似鳥, 純一, 松林, 純, 山口, 学, 林, 博樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2010
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.32.2_176

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Summary:背景.非ホジキンリンパ腫で気管支内腔に所見を認めるものは稀である.今回我々は末梢及び中枢気管支に発生したMALTリンパ腫の1例を経験したので報告する.症例.54歳,女性.2008年10月,検診にて胸部異常影を指摘され近医を受診,胸部CT上,右S^3に3.5×2.4cm大の腫瘤を認め,精査目的に当院紹介となった.経気管支肺生検を施行した際に,左右中枢気管支内腔に多発する粘膜下結節を認めた.末梢の腫瘤に対し生検を施行した結果,低悪性度のB細胞性リンパ腫が疑われた.また中枢気管支の結節性病変からの生検でもMALTリンパ腫と診断された.結論.MALTリンパ腫の多くは消化管に発生するが,稀に本症例のように肺原発で気管支内腔に多発粘膜下結節を呈するものがあり,気管支内腔に隆起性病変を認めた際にはMALTリンパ腫も鑑別に入れて精査を行う必要がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.32.2_176