気管支腺扁平上皮混合型乳頭腫の1切除例
孤立性気管支乳頭腫は比較的稀な疾患であり, 本邦における論文報告例は自験例を含めて31例である。症例は41歳の男性。検診の胸部単純X線写真で左肺野に異常陰影を指摘され, 当院に入院となった。胸部CTでは左S^6に末梢二次性変化を伴う径3cm大の境界明瞭で不均一に造影される充実性腫瘤がみられた。気管支鏡では左B^6b内腔に白色のポリープ状病変を認めた。同病変の生検から, 円柱上皮様細胞と扁平上皮様細胞が乳頭状に増殖しており, 気管支乳頭腫と診断した。血清SCC値が高く癌化も否定できなかったため左下葉切除を施行した。切除標本で悪性所見は認められず, 腺扁平上皮混合型乳頭腫と診断された。手術後血清S...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 23; no. 5; pp. 464 - 467 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2001
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.23.5_464 |
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Summary: | 孤立性気管支乳頭腫は比較的稀な疾患であり, 本邦における論文報告例は自験例を含めて31例である。症例は41歳の男性。検診の胸部単純X線写真で左肺野に異常陰影を指摘され, 当院に入院となった。胸部CTでは左S^6に末梢二次性変化を伴う径3cm大の境界明瞭で不均一に造影される充実性腫瘤がみられた。気管支鏡では左B^6b内腔に白色のポリープ状病変を認めた。同病変の生検から, 円柱上皮様細胞と扁平上皮様細胞が乳頭状に増殖しており, 気管支乳頭腫と診断した。血清SCC値が高く癌化も否定できなかったため左下葉切除を施行した。切除標本で悪性所見は認められず, 腺扁平上皮混合型乳頭腫と診断された。手術後血清SCC値は正常化した。本症例の進展形式は興味深く, 腫瘍周囲の気管支壁粘膜は腫瘍性上皮で置換されており, その一部が乳頭状に隆起していた。このような症例では外科的切除が確実な治療手段である。 |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.23.5_464 |